宅地建物取引業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅地建物取引業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒介を依頼され、それぞれ媒介契約を締結した。その後、B及びDは、それぞれA及びCの媒介により、甲住宅の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「建物状況調査」とは、法第34条の2第1項第4号に規定する調査をいうものとする。
- Aは、甲住宅の売却の依頼を受けた媒介業者として、本件契約が成立するまでの間に、Dに対し、建物状況調査を実施する者のあっせんの有無について確認しなければならない。
- A及びCは、本件契約が成立するまでの間に、Dに対し、甲住宅について、設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で国土交通省令で定めるものの保存の状況及びそれぞれの書類に記載されている内容について説明しなければならない。
- CがDとの間で媒介契約を締結する2年前に、甲住宅は既に建物状況調査を受けていた。この場合において、A及びCは、本件契約が成立するまでの間に、Dに対し、建物状況調査を実施している旨及びその結果の概要について説明しなければならない。
- A及びCは、Dが宅地建物取引業者である場合であっても、法第37条に基づき交付すべき書面において、甲住宅の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項があるときにその記載を省略することはできない。
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4
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解答と解説
【解答】4
選択肢1 宅建業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅建業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒介を依頼され、それぞれ媒介契約を締結した。その後、B及びDは、それぞれA及びCの媒介により、甲住宅の売買契約(本件契約)を締結した。Aは、甲住宅の売却の依頼を受けた媒介業者として、本件契約が成立するまでの間に、Dに対し、建物状況調査を実施する者のあっせんの有無について確認しなければならない。
【答え】誤り
【解説】
問27-1:問題文の関係図です。.jpg)
既存住宅(中古住宅)の場合、媒介契約書(34条書面)に「建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項」を記載しなければなりません。 そして、 「建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項」を媒介契約締結の際にお互いで確認した上で、AB間で媒介契約を締結します。 本肢は、2つ誤りがあります。
<1つ目の誤り>
「売買契約成立までの間に」が誤り。正しくは「媒介契約締結時」です。
<2つ目の誤り>
「Dに対し」が誤り。正しくは「Bに対し」です。本肢は、理解すべき内容があるので、個別指導では、理解学習勉強法を使って解説します!無料講座でも理解学習勉強法の一部を解説しているので参考にしてみてください!
選択肢2 宅建業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅建業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒介を依頼され、それぞれ媒介契約を締結した。その後、B及びDは、それぞれA及びCの媒介により、甲住宅の売買契約(本件契約)を締結した。A及びCは、本件契約が成立するまでの間に、Dに対し、甲住宅について、設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で国土交通省令で定めるものの保存の状況及びそれぞれの書類に記載されている内容について説明しなければならない。
【答え】誤り
【解説】
中古住宅の場合、下記内容を重要事項として説明しなければなりません。
- 建物の状況調査を実施しているかどうか、および実施している場合はその結果の概要
- 設計図書、点検記録、その他建物の建築および維持保全の状況に関する一定の書類の保存の状況
本肢は「書類で国土交通省令で定めるものの保存の状況及びそれぞれの書類に記載されている内容について説明」となっている点が誤りです。 保存状況については、説明が必要です。一方、書類に記載されている内容については説明不要です。 1と2の違いなど細かい解説については、個別指導で解説します!
選択肢3 宅建業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅建業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒介を依頼され、それぞれ媒介契約を締結した。その後、B及びDは、それぞれA及びCの媒介により、甲住宅の売買契約(本件契約)を締結した。CがDとの間で媒介契約を締結する2年前に、甲住宅は既に建物状況調査を受けていた。この場合において、A及びCは、本件契約が成立するまでの間に、Dに対し、建物状況調査を実施している旨及びその結果の概要について説明しなければならない。
【答え】誤り
【解説】
重要事項説明として説明すべき建物状況調査の内容は、調査を実施して1年未満のものです。 本肢は、2年前に建物状況調査を受けているので、当該物状況調査の内容は説明しなくても違反にはなりません。
選択肢4 宅建業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅建業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒介を依頼され、それぞれ媒介契約を締結した。その後、B及びDは、それぞれA及びCの媒介により、甲住宅の売買契約(本件契約)を締結した。A及びCは、Dが宅地建物取引業者である場合であっても、法第37条に基づき交付すべき書面において、甲住宅の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項があるときにその記載を省略することはできない。
【答え】正しい
【解説】
既存住宅(中古住宅)の場合、37条書面に「構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項」を記載しなければなりません。 また、37条書面の交付について、宅建業者に対しても交付が必要なので、本肢は正しいです。 37条書面の建物状況調査(インスペクション)に関する関連ポイントは個別指導で解説します!

まとめ 建物状況調査に関する内容は、細かい部分まで出題されるので、宅建業法34条1項4号、35条1項6号の2、37条1項2号の2、宅建業法施行規則16条の2の2を確認しておきましょう。
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