選択肢１ 宅地（代金200万円。消費税等相当額を含まない。）の売買の代理について、通常の売買の代理と比較して現地調査等の費用が８万円（消費税等相当額を含まない。）多く要した場合、売主Ｂと合意していた場合には、ＡはＢから308,000円を上限として報酬を受領することができる。 

【答え】正しい

【解説】
宅地建物の売買において、400万円以下の物件の場合で、通常の場合と比較して現地調査費用が多くかかる場合、売主に説明をして合意を得ることで、「通常の媒介報酬の限度額＋現地調査等に要する費用に相当する額」を報酬の上限として受領することができます。 ただし、この報酬額の上限は、現地調査費用を含めて18万円（税込19万9000円）です。これに従って本肢について計算をします。
＜具体的な計算＞
（１）売買の媒介で、200万円以下の場合、通常の媒介報酬の限度額は、200万×5％＝10万円です。
これに現地調査費用8万円を上乗せすると、18万円（税込19万8000円）です。
本肢は代理なので、買主から受領できる報酬分も合わせて、売主から受領できます。
（２）買主から受領できる報酬分とは、通常の媒介報酬の限度額なので、10万円（税込11万円）です。
よって、（１）と（２）の報酬上限額を合計すると、30万8000円です。
したがって、本肢は正しいです。考え方を理解していない人は、代理なので２倍と考えます。しかし、これは間違いです。理解していない証拠なので、きちんと理解学習を実践しましょう！個別指導では、理解学習勉強法を使って解説します！

選択肢２ 事務所（１か月の借賃110万円。消費税等相当額を含む。）の貸借の媒介について、Ａは依頼者の双方から合計で110万円を上限として報酬を受領することができる。 

【答え】正しい

【解説】
宅地建物の貸借の媒介の場合、依頼者双方から受領することができる報酬の限度額は、双方合わせて、借賃の1ヶ月分です。よって、本肢の場合、「Ａは依頼者の双方から合計で110万円を上限として報酬を受領することができる」ので正しいです。ちなみに、110万円にはすでに消費税が含まれた金額です。これは（１か月の借賃110万円。消費税等相当額を含む。）という記述から判断できます。

選択肢３ 既存住宅の売買の媒介について、Ａが売主Ｃに対して建物状況調査を実施する者をあっせんした場合、ＡはＣから報酬とは別にあっせんに係る料金を受領することはできない。 

【答え】正しい

【解説】
報酬以外に受領できる金銭については、（１）依頼者の依頼に基づく広告費と（２）依頼者の特別の依頼による特別の費用（旅費等）に限られます。 本肢のように「建物状況調査を実施する者をあっせん費用」については、別途請求することはできません。よって、正しいです。ちなみに、請求していなくても受領したら宅建業法違反となるので注意をしましょう！

選択肢４ 宅地（代金200万円。消費税等相当額を含まない。）の売買の媒介について、通常の売買の媒介と比較して現地調査等の費用を多く要しない場合でも、売主Ｄと合意していた場合には、ＡはＤから198,000円を報酬として受領することができる。 

【答え】誤り

【解説】
選択肢１の解説の通り、400万円以下の物件について、現地調査等の費用を上乗せできるのは、「通常の売買の媒介と比較して現地調査等の費用を要する場合」に限ります。 本肢は「現地調査等の費用を多く要しない場合」なので、通常の報酬の限度額の計算を行って限度額を計算します。よって、200万×5％＝10万円（税込11万円）を上限に、報酬額を受領できます。 つまり、「198,000円」は誤りです。

まとめ 報酬計算については、ルールを覚えるだけの人もいますが、それだと選択肢１のように間違えてしまいます。報酬計算のルールはどのように成り立っているのかを理解しなければなりません。これは、応用問題に対応するためにも重要なので、個別指導で解説します！